そのエアコン、息してる?
最近の賃貸物件、エアコン付きが当たり前になってきたね。
「引っ越してすぐ涼しい空気!助かる〜」って、入居者さんは喜ぶわけですよ。
でもね、ちょっと待った。
ただ「エアコン付いてる」だけじゃだめ。
エアコンには”見えない地雷”が潜んでることが・・・
エアコンの寿命を削る「沈黙の侵略者」
エアコンって、使用環境で汚れ方がガラッと変わる。
特に喫煙者がいると、その影響は想像以上。
下記の写真は過去に実際にクリーニングしたエアコン内部の様子。



製造10年のエアコンで、入居者(入居期間5年)は喫煙している上に一度もクリーニングをしたことが無かったとのこと。
吹き出し口もフィルターもヤニ汚れがベッタリ😒
クリーニング後に排水された汚水見てよ、まるでブラックコーヒー。
もっと問題なのは・・・

アルミフィンまでヤニ汚れが回っていること。
エアコンはアルミフィンから吸気された空気を内部で冷やして吹き出し口から冷たい風を出してるの。
いわば、
ヤニが詰まったら呼吸できない。
アルミフィンがヤニで覆われていたら、 いくら風を出しても、“汚れた空気”が部屋中をグルグル循環してるってこと。
エアコンクリーニングはアルミフィンの表面は洗浄できるけど、内部の隅々までは洗えないのよ。
だから、こんな状態のエアコンをクリーニングしても、
- プラスチック製のカバーやルーバー部の黄ばみが落ちない
- 吹き出し口から異臭がする
- 完全にヤニを落とすには”オーバーホール洗浄”でかなりの高額料金
「ニオイ」に関するトラブルは入居クレームの常連!
もちろん「ニオイ」は人によって感じ方はいろいろだけど、ヤニが原因だったらどうしようもない。
せっかく入居してくれたのに「エアコンのニオイが臭くてダメ」なんて気の毒すぎる。
ちなみに上記ヤニ汚れエアコンをクリーニングした後の写真がこれ↓↓↓



大家さんがやるべき4つの”ヤニ対策”
エアコンを標準設備とする賃貸物件の場合、この4つを覚えてほしい!
- 賃貸借契約書に善管注意義務違反「喫煙NG」を明記!(特約でOK)
※賃貸借契約における善管注意義務とは「善良なる管理者の注意義務」の意味。
「入居から退去するまで部屋を大切に管理すること」を入居者へ約束させることができるの。
契約時に入居者へきちんと説明しておけば「部屋で喫煙するとペナルティがある」と意識してもらうことができるってわけ。
契約は予防接種。効かせるなら最初が肝心。 - 入居中のエアコンクリーニングを「あたりまえ化」する!
エアコンは定期的なクリーニングで衛生的に保つことが可能。
万が一、部屋で喫煙していたとしてもまめにクリーニングしていれば汚れや臭いの沈着程度が劇的に改善する!
実際に、2年更新時にオーナー負担でエアコンクリーニングを実施するという物件があったよ。
エアコンクリーニングはやって損なし。むしろ「ちゃんとエアコンメンテしてる物件」のPRポイントにもなるしね。
まめなメンテは未来の空室リスクを防ぐ投資。 - 退去立会いのときにエアコン内部(吹き出し口やフィルター)を必ずチェック!
電気は止まっててもOK。
吹き出し口やフィルターは、ヤニの有無を見れば一目瞭然。
この時点で喫煙の痕跡があれば、ヤニ汚れの設備弊害を説明することでトラブルを最小限にすることが可能になるから。
※あくまでも賃貸借契約に基づくため善管注意義務違反「喫煙NG」の文言があるか事前確認が必要だよ!
退去時チェックは”現場の探偵”。真実は吹き出し口にある!! - 喫煙者入居歴10年超は「一部負担で交換」が現実的と考えるべし
正直、ヤニで染まりきったエアコンは、どう頑張っても次の人には使わせられないレベル。
明らかに長期間ヤニまみれになったエアコンの場合は、退去時にエアコン交換費用を負担してもらって新品交換するのがベスト。
そうすることで新しい入居者へのクレーム対策になるから。
※この場合でも賃貸借契約に基づいて交渉するので善管注意義務違反「喫煙NG」の文言は絶対なの!
残すより、替えた方が信頼につながる。
入居者側もね、ライフスタイルは人それぞれだし、愛煙家を軽蔑差別する必要はないと思うの。
まして大家さんだからってマウント取る必要はない。
でもね。
賃貸経営にとって部屋は大事な商売道具。
「貸して借りて」成り立つ商売だから、入居者の勝手で汚すならちゃんと責任もってね・・・ってことを契約書に書いておくべきよね。